ドムえもん、という名の二頭身ゆるキャラをご存知であろうか?
もちろん、ご存知ないであろう。
上の写真がまさにソレであるが、名札の部分にご注目いただきたい。
‥にんじゃえもん、とある。
実はこのゆるキャラ‥我が地元である滋賀県甲賀市の誇る、ゆるキャラ『にんじゃえもん』がコスプレしているのである。
その時の衝撃映像をカメラに収めることができた。
どうか目を凝らしてご覧いただきたい。 彼の正体が薄く透けて見えているあたりが、実に悲しげなユーモラスを醸し出しているではないか。 僕はオリジナルを見るより前に、最初にこのドムえもんを目撃してしまった。 |
酒蔵祭りin滋賀県水口にて二頭身ドムのコスプレが練り歩く
僕があの「かわいいドム」を最初に目撃したのは先月あたりの話。
酒蔵イベントは毎年春の始まり(3月後半あたり)に催されているらしい。
美冨久の地酒を存分に楽しめるらしく、酒好きにはたまらない日に違いない。
僕はお酒がほぼ飲めないので、運転係で同行することになった次第である。
まあ、これがどんな会場が知らされてなかったら、もしかしたらアニメのコスプレイベントなどと勘違いしたかもしれない。
しかしその実態は、近江の地酒が堪能できる実に平和な祭りであった。
酒好きの男ども女どもが年に1度ワラワラと集結する、春の一大酒蔵イベントである。
どうやら酒蔵イベント主催側のトップあたりに、途方もないガンダム愛好家が潜り込んでいるらしい。
そんな【非常にどうでもいい情報】を友人は僕に教えてくれた。
友人は日本酒好き⇒ガンダム好き⇒明日は日曜日、という相乗効果が相まって、上機嫌な顔がはちきれんばかりである。
僕たちはまず、美冨久酒造の蔵の内部を見学させてもらった。
それから友人は、地酒の試飲を堪能したり、酒粕の取り放題に興じたりと、それはそれは楽しげに休日を消化していった。
会場は予想以上の規模で、おでんやら焼きそばやらの出店がずらりと並んでいる。
僕はおでんのダイコンをほおばりながら、あたりの来場者の客層をみまわしてみた。
酒蔵のイベントだけあって、おじさま、といった年齢層が目立つ。
僕らのような年齢層はかなりの少数派である。
会場内では、ゆでたまごが無料でくばられていた。
それを見てにんじゃえもんの元ネタは黒いゆでたまごかいな?と思ったが、どうやらそうではないらしい。
ゆるきゃら公式サイトにはこのように説明されている。
忍者発祥の地「滋賀県甲賀市」で活躍中。黒米から産まれたにんじゃえもんは、甲賀流癒し忍術・ゆる忍術・、エコ忍術・グルメ忍術を身につけています。そんなにんじゃえもんは、現在ゆるモノマネの特訓に励んでいます。
引用元:ゆるキャラグランプリ公式サイト
‥だそうだ。
気になるのは最後のほうの『ゆるモノマネ』の下りである。
そもそも『ゆるモノマネ』とは何ぞや?
そんなに頑張らないモノマネ、とでも言うのか?
説明には『現在ゆるモノマネの特訓に励んでいます』とある。
そんなに頑張らないモノマネをせっせと励む、とはどういうことなのか?
頑張っているのか?
頑張っていないのか?
早急にハッキリとさせていただきたい。
実際に見たあの様子だと、特訓に励んでいる、という感じではなさそうである。
彼の特技である忍術についても謎に満ちている。
エコ忍術とは?
グルメ忍術とは?
「連想させたいイメージにむかって、強引に単語を連ねた感」がハンパない。
グルメ忍術のほうはまだわかる。
上手い飯をどろんと出現させるとか、まあそんなところだろう。
もしかしたら、地元の美味しい食材を使って、料理をしてみせるのかもしれない。
だが「エコ」の方は皆目見当がつかない。
なにかとんでもない節約生活をしてみせるのであろうか?
それとも道端のゴミを拾ってくれるとでも言うのだろうか?
‥想像すればするほど謎は深まるばかりである。
しかも会場を見渡すと、ガンダムのコスプレはドムえもんだけにとどまってはいなかった。
酒蔵のレジのところでは、受付のお姉さんがシャアのコスプレをしていたり、シャアの親玉みたいなオジサンが姿勢よくウロウロ巡回している。
レジのお姉さんシャア
やたら姿勢の良いオジサンシャア
会場を練り歩く二頭身ドム
実に方々でガンダムワールドが静かに侵食しているのだ。
なにか抗しがたい、上からの力が作用していると感じざるを得なかった。
とにかく‥
深く追及するのはこれくらいにしておくとしよう。
とりあえずあの日は、地酒とガンダムの世界が融合された、なんとも不思議な世界を堪能させてもらった休日であった。
カオスな酒蔵祭りin滋賀県水口で二頭身ドムを見に行こう!
後から調べて分かったことだが、どうやらこのイベントは計5000人以上の来場者でにぎわったらしい。
僕は思った。
こういうファンタジーでカオスな光景を海外の方に宣伝してもらうと、なかなかネタになってよいかもしれない。
ともかく海の向こうにうごめくオタクどもをあなどってはならない。
彼らの熱量たるや、ひとつの街を救うポテンシャルを存分に秘めているに違いないのだ。
海外の方にもっと認知はされてもいいでしょう☆
たしかに友人はあの光景に、静かにテンションが上がっていたように見受けられた。
だが、ひょっとしたらガンダムが大好きなオタク度の高い外国人の方々であれば、噂を聞きつけるなり『COOL!』なんて言って、ゾロゾロ集まってくるやもしれぬ。
その光景は見てみたいと思う。
念のため、僕が投稿したあのYouTube動画に、英語タイトルバージョンも付け加えておくとしよう。
と切に願うばかりである。
どうか数年後、我がふるさと滋賀県甲賀市が、酒好きとガンダム好きに愛される、おおらかでクールな街に発展していてもらいたい。