学生の頃、タイに行ったことがある。
住居建築のお手伝いをするというボランティアとして渡航したのであるが、古都チェンマイにてゾウに乗ったり、滞在中のホテルの扇風機を壊してしまったり、僕の人生を彩るあまたの思い出を残してくれた。
音楽好きの友人が、ホテルに着くなりipodをスピーカーにつないでその居心地に酔いしれていると、たちまちスピーカーから煙が立ち込めてきた。
愛用のスピーカーが煙をたてて壊れるという友人の悲劇を目の当たりにして、僕たちは到着初日にして笑いをこらえることになった。
思えばタイには何かと縁がある。
学生時代にはひきこもりで2年間ゼロ単位だった状況を取り返すべく、大学にほぼ隣接するタイ料理屋の2階に住み込む生活を送ったものである。
階下より立ち込めてくる香辛料のにおいがしみ込んだ服を卒業するまで着こなすハメになるという思い出を僕に植え付けてくれた。
また、友人なんかとぶらりと遊びに行きたいものである。